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最近の森村

2022.08.25 最近の森村

夏休みJICA訪問

8月上旬、本校の中等部生5名・高等部生17名の有志がJICA横浜を訪問しました。
元青年海外協力隊隊員の教員が引率し、JICA横浜さんの全面協力の下、JICAや国際協力、海外移住の歴史などについて学びました。

お話の中では、戦後日本がユニセフや世界銀行から援助を受けていた被援助国としての歴史から、その恩返しとしてのJICAを始めとする国際協力の歴史、そして現在の国際協力の現場について詳しく教えていただきました。

また、海外移住資料館では、多くの日本人が昭和の時代に移民としてアメリカや南米に集団移住した歴史を様々な資料や展示物と共に学びました。展示の中には、「日本初のニューヨーク現地法人商社 モリムラブラザーズ」の展示もあり、本校縁の展示に生徒たちも驚いていました。

終了後の質疑応答は非常に盛り上がり、生徒たちの熱心に学ぶ姿勢に感心しました。
彼らがこれからの国際化した日本の担い手として、そして国際社会の一員として、将来活躍することを楽しみにしています。

以下に、参加した生徒の感想を紹介します。
 
中2生徒
今回のJICA横浜訪問は、念願叶ったと言っても過言ではありませんでした。私は中1の頃から海外の文化や言語に興味を持ち、そこから派生してJICAを知りました。ネットや先生の話を通して調べていた私にとっては、体ごとJICAを学べる機会に参加できたというのは、興奮の極みでした。実際に行ってみて、私は感動することが多々ありました。お話をしてくださった田中さんの「貧困は不幸ではない、自立させることが大切なんだ」という言葉は、とても心にしみて心洗われるような気持ちになりました。今回の訪問は、私の知識的な教養だけでなく精神的な教養にもなったように思います。本当にありがとうございました。
 
高1生徒
 私は、このJICA横浜見学で、多くのことを学びました。
 ”JICA”と言われても いまいちピンとこない方もいらっしゃると思いますが、JICAは私 たちの生活にも大きくかかわっていました。
 まず、私が一番驚いたのは、戦後の高度経済成長や、3.11の復興が多くの国からの支援の上に成り立っていた ということです。戦後、日本は荒廃していましたが、ユニセフにより学校給食などが、外国の日系人により様々な物資が送られました 。 1964年東京オリンピックの際には世界銀行などからの借り入れにより東名高速道路や新幹線が作られました。日本は現在、技術大国・先進国として知られていますが、ここまで成長する過程にはあまり知られていない多くの支援がありました。また、3.11の際にも、多くの国が“日本のために”と立ち上がり金銭面などで支援をしてくれました。これは、先進国などの裕福な国からだけでなく、最貧国に分類されるような貧しい国からもたくさんの支援がありました。なぜこのような国も日本のために立ち上がってくれたのでしょうか?その理由の一つにはJICAの存在があります。JICAは日本の”政府開発援助”の機関として、発展途上国に支援をしてきました。彼らにとって日本が、”自国の成長を支援してくれていた国”などとして近しい国であったのです。 こうして、様々なありがたい支援を受けながら我々の国、日本は成長してきたのです。これにはとても驚き、支援をしてくれた国にとても感謝しました 。
 次に、興味深いと感じた点は、JICAの理念と施設内にある資料館で見た日系移民の歴史・生活に関して です。
 まず、理念に関してです。JICAは“途上国の自立”を理念に活動しています。日本が彼らを一方的に支援するのではなく、持ちつ持たれつの関係を築こうとしているのです。私たちの暮らしにかかわる物品の多くは途上国でつくられたものです。このような品物を途上国が輸出する一方 、日本は途上国に学校や病院を作るためにお金を寄付したり、インフラ整備と維持のためにお金を貸したり、技術を伝えたりしています。このように、一方的な”支援している国、されている国”という関係性ではなく、”パートナー”としての関係性を求めることに共感しました。
 次に、日系移民に関しては、新天地でも守られていた日本人的なアイデンティティを感じました。それは、とても仕事熱心なところです。 移民たちは、新天地でとても厳しい環境に置かれたにも拘わらず、外国で現在の農業にもつながる一大農産物の生産を開始する等、各分野において大いに活躍していました。さらに、彼らは現地の文化になじむために努力を惜しみませんでした。このような勤勉さ、努力を惜しまない点、そして他者と協力して生き延びていく姿勢に日本的なコミュニティーの良さ を感じました。
 私は、おかれた環境は恵まれているのにもかかわらず、努力が不足していたところもあると思うので、移民の方々を見習い努力をしていきたいと思います。