菊組になってから、子どもたちに「みんなでやってみたいことはある?」と聞く時間を大切にしてきました。
その中で出てきた声のひとつが、「お店やさんをやりたい!」というものです。
どんなお店にするかをみんなで相談してみると、パン屋さん、人形屋さん、洋服屋さん、コメダ珈琲、車屋さん、八百屋さん、唐揚げ屋さん、ポップコーン屋さん、ファミリーマート、OKマート、猫ロボットのいるレストランなどたくさんのアイデアが出てきました。

子どもたちは、ただお店の名前を出すだけではありません。
「こうしたら楽しそう!」
「これを作ったら、お客さんが喜ぶんじゃない?」
「ここに行くために電車があったらいい!」
と、そのお店をどうしてやりたいのか、どんなふうに遊べるのかを、自分なりの言葉で具体的に話してくれました。
話し合いを重ねる中で、子どもたち同士がイメージを共有しやすかったお店が、少しずつ形になっていきました。
まずは、ケーキ、アイス、ドーナツを売る「お菓子屋さん」。
「何で作ったらおいしそうに見えるかな?」
「この色はチョコみたい!」
「ふわふわにしたい!」
子どもたちは、紙粘土や牛乳パック、毛糸など、いろいろな素材を手に取りながら考えています。素材の感触や形、色を生かし、「本物みたいに見せるにはどうしたらいいか」を工夫しながら製作を進めています。

次に出てきたのは、「お肉屋さん」です。
子どもたちのイメージを聞いていると、どうやらバーベキューのようです。
森あそびに出かけた時には、
「これ、お肉屋さんに使えそう!」
と、木の枝を集め始める姿がありました。
幼稚園に戻ってからは、その枝を洗い、乾かして、遊びに使えるように準備しました。

お肉は紙粘土で作り、焼く前の生のお肉と、焼かれたお肉が分かるように、表と裏で色を塗り分けることになりました。

そしてもうひとつ、大切な役割をもっているのが「駅」です。
お部屋全体を駅にして、お客さんをお菓子屋さんやお肉屋さんまで運んでくれます。

子どもたちは、線路の道を考え、テープで貼り、トンネルも作りました。「床に砂がある」とテープが貼れるように、自分たちで掃除をする姿も。
好きな電車をダンボールで作る子もいます。

お店やさんごっこは、ただ品物を作って遊ぶだけではありません。
「何屋さんにする?」
「どうやって作る?」
「どこに置く?」
「お客さんはどうやって来る?」
子どもたちは、友だちと考えを出し合いながら、自分たちの遊びを少しずつつくり上げています。
自分の「やりたい」を伝えること。
友だちの考えを聞くこと。
イメージを共有しながら、素材を選び、工夫して形にしていくこと。
その一つひとつが、菊組の子どもたちにとって大切な学びになっています。
これから、お店やさんごっこはどのように広がっていくのでしょうか。
子どもたちの発想と相談から生まれる世界を一緒に楽しみながら作り上げていこうと思っています。



