ある日の保育室。
おままごとを楽しむ子どもたちの中から、「いらっしゃいませ!」という声が響きました。
作った料理をふるまううちに、他のあそびをしている友だちにも声をかける姿が見られ、やりとりは次第に“お店”の形を帯びていきました。
そこから自然に生まれた「お店屋さんをやりたい!」というこどもたちの思い。
森村学園幼稚園では、子ども一人ひとりの自発的な興味や発想を出発点に、あそびがどのように広がり、深まっていくかを大切にしています。
今回の活動も、大人が設定したものではなく、子どもたちの「やりたい」から始まりました。
どんなお店にする?
パン屋さん?お寿司屋さん?マクドナルド?どれも楽しそうで、なかなか決まりません。
「どんな商品をつくれるかな?」「面白そうなお店がいいよね。」
相談を重ねるうちに、子どもたちは“作ることが楽しそうなお店”という視点で考え、マクドナルドに決まりました。
商品づくりが始まりました!
「ハンバーガーにチーズ入れたい!」
「ナゲットも作ろう!」
「パンケーキもあるといいよね!」
売る商品をみんなで決め、どうやって作るかも一緒に考えます。
折り紙を折る。
のりで貼る。
はさみで丸く切る。
年少でこれまで経験してきた技術を、“やらされる”のではなく、“やりたいから使う”場面が生まれました。
繰り返し作るうちに、切ることも貼ることも、どんどん上達していきます。あそびの中で、自然と技術が磨かれていきました。

お客さんの気持ちになって
開店当初は、お客さんの注文通りの商品を正確に渡すことが難しい場面もありました。
しかし、自分たちもお客さん役を経験する中で、
「頼んだのと違うのがきた」
「ずっと待ってるのはいやだな」と気づきます。
その経験が次の工夫につながり、注文をよく聞くようになり、間違えないよう確認する姿が見られるようになりました。あそびの中で、相手の立場を考える力が育っています。

自然に生まれる役割
気づけば、
注文を聞く人
会計をする人
商品をつくる人
返却スペースを片付ける人
と、それぞれが役割を担うようになっていました。
「ポテトが落ちてる」「お店が散らかってるよ」「返却が溜まってる」と自ら気づき、整える姿も。誰かに言われたからではなく、必要だから動く。小さな社会が、保育室の中に生まれていました。

あそびが育てる力
子どもたちの「やりたい!」から始まったマクドナルド屋さん。
そこには、
・話し合って決める力
・想像する力
・工夫する力
・技術を活かす力
・相手の気持ちを考える力
・自分の役割に責任をもつ力
たくさんの育ちがありました。
年中さん、年長さん、保護者の方をご招待し、自分たちの楽しんでいることを一緒に楽しんでくれたことも、子どもたちの喜びとなりました。

森村学園幼稚園では、子どもたちの“やってみたい”を大切にしながら、あそびを通して社会の芽生えを育んでいます。これからも、子どもたちの声から始まる物語を、大切に積み重ねていきたいと思います。



