砂場で、「富士山を作ろう!」 一人の呼びかけに、次々と仲間が集まってきました。
目指すのは、「10階建ての富士山」!
5〜6人の職人さん(子どもたち)を中心に、「階段を作ろう」「こっちはトンネルつくろうよ」「恐竜がいる山にするのもいいね」「空まで届く大きな山にしよう!」と、夢中で砂を積み上げます。その熱気につられるように、入れ替わり立ち替わりたくさんの仲間が加わり、大きな山になってきました。
「まだまだ大きくしたいね」「明日もまた遊ぼう」と、風で飛ばされないよう大事にネットをかけて、その日はおしまい。
ところが翌日。強風のせいか、山が崩れてしまっていました。
「富士山が溶けちゃった……!」 崩れている山を見て、一人の子がそう呟きました。悲しみではなく、自然の変化を優しく捉えた「溶けた」という言葉。「壊れた」ではなく「溶けた」。子どもの感性豊かな表現に、思わず心が温まります。
そこで始まったのが、子どもたちの作戦会議です。 「どうすれば溶けないかな?」 「手でぎゅっぎゅって固めよう」「足で踏んだら強くなるよ!」「力いっぱいやりすぎると壊れちゃうから……」「この道具使えそうだよ!」 手のひらの感触や足の裏の重みを確かめながら、力の加減や道具の使い方を自分たちで探っていきます。
この遊びの素敵なところは、砂場にいないお友達も「どうなった?」と進み具合を覗きにくること。クラスのみんなが、この富士山の行方を見守る大きなチームのようになっていました。
「また明日溶けちゃうかもしれないから、今のうちに写真撮っておいて!」 自分たちの努力の結晶を残してほしいと願うその言葉に、一つの目的に向かって力を合わせる「心の成長」を強く感じました。

「溶けては固める」を繰り返しながら、砂の山も、子どもたちの絆も、少しずつ逞しく育っています。



