少し時間が経ってしまいましたが、今回のブログでは、担任が運動会を通じて感じた子どもたちの気持ちの変化をお伝えしたいと思います。子どもたちは、運動会の練習をする中で気持ちを言葉で表すようになりました。ある日、「パラバルーンの練習って疲れるよね。」という子どもたちがいました。子どもたちがこのような表現をした時に、「そんなこと言わないで。」と言ってしまうと子どもたちはそれを思っていても表現して来ることが出来なくなってしまいます。「どうして?」と聞くと「しゃがむポーズが疲れるから」「頑張ってるから。」等具体的な言葉が出て来ました。それを聞いて担任が「頑張っている証拠だね。」と言うと「なるほど」という表情をしている子どももいました。
今まで色々感じながらも、なんだかんだパラバルーンは上手くこなせていた菊組さん。しかし運動会数日前の練習の日、急に技が上手くいかなくなり、初めての壁に衝突しました。(前回のブログ参照)暗い表情で黙る子どもたち。そこで、1基ずつ行い、相手のパラバルーンを見て、どうすれば上手くいくのか研究することになりました。いつも2基のパラバルーンに分かれて同時に練習していたので、自分たちがパラバルーンをやっている姿を見るのは初めてでした。お互い見せ合いっこするとパラバルーンを客観的に見ることができ、何がだめだったのか、どうすれば上手くいくのかを改めてみんなで考えるきっかけとなりました。そして、みんなの心も徐々にひとつになり始め、最後は上手にできるようになりました。パラバルーンが急に上手くいかなくなったことが、ものごとが上手くいかない時にどうしたら良いか学ぶ良い経験となりました。
また、段々と運動会が近付いてくるにつれて、上手くできるかな?という不安な気持ちと保護者の方に見ていただく緊張などから、登園時に泣いたり、幼稚園でもなんとなくいつもと違う様子が見られる子もちらほら出てきました。
「ドキドキするね。」「心配な気持ちもあるけれど、楽しみな気持ちもあるね。」色々な気持ちを子どもたち同士で共有することで、不安なのは自分だけではないことを知って心強く思った子も多かったのではないでしょうか。
更に、運動会前日あまり予想していないことが起こりました。「明日は雨が降るかもしれないね。」とお天気が雨の可能性があることを知った子どもたち。「外でパラバルーンをするとお砂がかかるから、体育館でやりたい」「今まで外でやって来たから外がいい」「外の方が気持ちが良いから外がいい」色々な意見が溢れ、一見子どもたちの気持ちがバラバラになっているように見えました。しかし、子どもたち一人ひとりに色々な気持ちがあって当然です。ここで子どもたちと最後に行き着いたのは、今までの全てをひっくるめて「色々な可能性があるけれど、運動会当日どんな状況でもみんなで楽しもう!」ということでした。
当日は風が思ったより強く吹いていましたが、「大丈夫、やってみよう!」と意気込み、本番を迎えました。
パラバルーンが始まってみると、子どもたちが一つひとつの技を練習したことをしっかりと意識しながら行っていることが分かりました。そして、パラバルーンは大成功!!子どもたちは最高の笑顔を見せてくれました!
パラバルーンを終えた後は「楽しかった!」「またやりたい!」とやり切った表情の子どもたち。
当日、上手くいくことだけが良いことだとは思いませんが、子どもたちが経験したことを踏まえ、当日に生かしていることを感じ、それが何よりの成長だと感じました。