年少の子どもたちにとって、運動会は「きれいに並ぶこと」や「上手に見せること」が目的ではありません。大切なのは、広いグラウンドを思いきり走る喜びや、体を動かす気持ちよさを味わうことです。
私たちは、普段から楽しんでいる遊びを、運動会でもそのまま楽しめるように取り組んできました。「のりもの、あつまれ!」の中にはルールがあります。「トンネルは一方通行」「信号ゲームが終わったら駐車場(地面に印をつけてあります)に行く」などの約束を守ることも大切な学びです。本番は広いグラウンドで場所がわからなくなることもあるかもしれませんが、「ルールを守ろうとする気持ち」や「先生の声を聞いてついていこうとする姿勢」そのものが、子どもたちの成長の一歩なのです。
このような経験は、単に運動能力を伸ばすだけでなく、幼児期に大切とされる“非認知能力”にもつながっています。困ったときに自分で考えて行動しようとする力、仲間とルールを共有して守ろうとする力。運動会は、その芽生えを自然に引き出してくれる大切な機会でもあると考えます。
どうしても「整列ができたか」「上手にできたか」と大人の目線で見てしまいがちですが、ぜひその途中にある子どもたちの挑戦や喜びに目を向けていただけたら嬉しいです。のびのびと体を動かし、仲間と関わりながら成長していく姿を、一緒に応援してください。
”運動会でどんなことを楽しみにしてる?”、”どんなことを頑張る?”と子どもたちと話しました。
「はたらく車が楽しみ!」「乗り物に乗って速く走る」「ドロップス拾うの頑張る」「かけっこではやぶさみたいに速く走る!」「パパとダンスするのが楽しみ」など一人ひとりの考えていることを言葉にし、お友達と楽しみな気持ちを共有することができました。
🎤 運動会後の声かけのヒント
運動会を終えた子どもたちにどんな言葉をかけるかで、その経験がより深い学びになります。「上手だったね」といった評価ではなく、具体的にどの場面でどう感じたのかを伝えることが大切です。いくつか例を紹介いたします。
具体的な場面を伝える声かけ
・「のりものにのって走ってる◯ちゃん、すごくスピード出てたね!」
・「信号ゲームで、赤の時に先生の声をよく聞いて止まれてたね」
・「トンネルを一方通行で守って通っていたね」
・「ドロップスをみんなで全部拾えて、大成功だったね!」
・「みんなで作ったトンネルをくぐって、とても楽しそうだったよ」
気持ちを伝える声かけ
・「◯くんが早く走っているのを見て、ママも一緒に走りたくなっちゃった!」
・「元気いっぱい走っている姿を見て、大きくなったなぁって嬉しかったよ」
・「楽しそうにダンスしているのを見て、パパも笑顔になっちゃった」
一緒に振り返る声かけ
・「トンネルくぐるの、どんな気持ちだった?」
・「ドロップス、全部拾えてどう思った?」
・「広いグラウンド走るの、気持ちよかった?」
子どもの「できたこと」だけでなく、その姿を見てどう感じたかや、子どもの気持ちを引き出す言葉をかけることで、運動会の体験はより豊かなものになります。ぜひ、運動会後の親子の会話を楽しんでくださいね♪