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校長 江川 昭夫からのメッセージ
WEB校長室

2022.01.08 WEB校長室

校長メッセージ【第52回】~大きく花開くために~

あけましておめでとうございます。校長の江川です。

高等部3年生のみなさんは、共通テスト、一般入試を目前にひかえ、最後のひと踏ん張りの真っ最中だと思います。どうか気を緩めることなく、心身の状態を万全に保って本番を迎えてください。
すでに総合型選抜等の秋入試で結果が出ているみなさんは、今までがんばった分、ゆっくりする時間が生まれているかもしれません。6年間を、あるいは12年、15年を過ごした森村学園の生活もあとわずか。最後の生活を充実したものにするにはどうしたらよいか、考えてみてください。例えば英検等でもう一つ上の級を目指してもいいかもしれませんし、中高の6年間での心残りをピックアップして、実行してみてもいいかもしれません。

4月からの新しい生活は、社会に出るための準備でもあります。みなさんは今まで目の前の目標、例えば直近の試験や部活での試合やコンテスト、発表などに向かって、ひとつひとつがんばってきました。目の前のことを一生懸命やることは、とても大切です。特に昨今のコロナ禍においては、目の前のことに集中することで精神の安定を保てる効能もあったかと思います。
これからはそれに加えて、社会に出たときにどういう自分でありたいか、それに向かって、どのような準備や経験をしたらいいのかを考え、それに向かって準備していってほしいと思います。中等部生、高等部1年、2年生のみなさんは、短い3学期が終わればすぐに新年度です。新入生を迎え、みなさんも一つ先輩になります。

さて、毎年、新年最初の校長メッセージでは、干支の話を少し詳しく話しています。
干支(えと)とは、十二支(じゅうにし)と十干(じっかん)の組み合わせからなります。みなさんは、未(ひつじ)年や申(さる)年といった自分の生まれ年から、十二支のことはご存じでしょうが、もう一つの十干は、それほどなじみがないかと思います。
十干は生命の循環を表し、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の10種類からなります。十干という言葉を知らなくとも、甲・乙・丙・丁といった言葉は、契約書や、ドラマで見る昔の学校の成績表などで見る機会があったりして、意外になじんでいる言葉です。この十二支と十干は、太陽や月の運行、そして生き物の生命サイクルを12と10の段階で示したもので、組み合わせは全部で60種類になります。
例えば、2022年の十二支は寅年(とらどし)、十干が「壬(みずのえ)」ですから、2022年の干支は「壬寅(みずのえとら)」です。60種類の干支が繰り返されますから、次に「壬寅(みずのえとら)」を迎えるのは60年後の2082年。つまり、今年生まれた赤ちゃんは、次の壬寅で60歳の還暦を迎えます。ちなみに還暦とは、自分の暦に還るという意味だそうです。先人は、この干支で未来を知ろうとしました。いってみれば占いのようなものなのでしょうが、干支は長い年月を経て生活に浸透し、生きるためのヒントのような存在になっていると感じています。私は毎年、今年の干支はなんだろうというところから、社会の、そして自分自身の「来し方行く末」を考えてみるきっかけとしています。

さて、今年の「壬寅(みずのえとら)」はどんな意味を持つ年なのでしょうか。「壬」は十干の9番目であり、生命の循環に例えれば、次の生命を育てるための準備の時期にあたります。「寅」は十二支の3番目で、「螾(ミミズ)」という意味も持ち、土の中でミミズが活動し、それによって植物たちが芽を出そうとしているところだそうです。「壬寅(みずのえとら)」とはすなわち、厳しい冬を越えて、生命力にあふれた春がやってくるといった、前向きで明るいイメージです。厳しい冬をコロナ禍と考えれば、たいへんにありがたいタイミングの「壬寅」ですが、現実的に世界の状況を見れば、まだまだ予断を許しません。しかし、冬が厳しいほど春の芽吹きは美しく、そして大きく花開きます。冬の時期にどれだけ自分を信じて、自分を磨くことができるか。それができた人ほど、これから大きく花開くことができるのでしょう。

1年は誰にとっても1年であり、時間は平等です。しかし油断していればあっという間に過ぎてしまう、それが時間です。よく、チャンスの神様には前髪しかないなどと言いますが、時間もまたそんな存在です。例年夏休み前の校長メッセージで、私は「時間の支配者になろう」というお話をしています。

https://www.morimura.ac.jp/jsh/principal/2020/07/1041/

みなさんはリモート学習を経験し、「学びにおける自学自習」を身に着けることができたでしょうか。または、現在その方法を模索中でしょうか。自学自習は、自宅や学校といった場所の問題だけではありません。社会に出てからも、あらゆる場面で役に立ちます。自学自習は自律、自立に通じます。まさに、建学の精神「独立自営」に繋がるのです。そこに、本校の校訓である「正直・親切・勤勉」という人間性が加われば、今年の「壬寅(みずのえとら)」のごとく、芽吹き、やがて大きく花開くのだと感じています。

2022年がスタートしました。例年にも増して、充実した1年間にしようではありませんか。

森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫