PAGE
TOP
PAGE
TOP

メニューはこちら

校長 江川 昭夫からのメッセージ
WEB校長室

2021.07.02 WEB校長室

校長メッセージ【第44回】~「人をぶっちゃダメなんだよ」(第二弾)~

みなさん、こんにちは。校長の江川です。

7月6日から1学期の期末試験が始まります。試験という山を越えれば、夏休みが待っています。コロナ禍においては、まだまだ例年のような休みというわけにはいきませんが、それでもみなさんには、長期の休みだからこそ、やってみたいことがきっとあることでしょう。それを心から楽しむためにも、直前のハードルを納得いく形で跳び越えてもらいたいと思います。さて、2年前の2019年9月2日第4回校長メッセージで、当時JRや私鉄、地下鉄に掲示されていた「人をぶっちゃダメなんだよ。」というポスターについて取り上げました。

子どもの字によるキャッチコピーがとても印象的でしたので、覚えている人も多いのではないでしょうか。

※(一社)日本民営鉄道協会様に掲載許可を頂いています。

これは、子ども口調ではありますが、乗客同士、駅係員、乗務員への暴力防止策の一環として制作された、大人向けのポスターです。

当時のプレスリリースによると、「大人にとって当たり前のことを、純粋な子どもの視点からのメッセージとして出すことで、大人をはっとさせ、暴力行為の未然防止に繋げるキャッチコピーとしました」とあります。

「人をぶっちゃいけないんだよ。」とは、幼児でも知っている当たり前のことです。誰かがぶったら、ぶたれた人は痛いです。身体だけでなく、心も痛んで悲しくなるのです。

森村幼稚園の子どもたちに聞いてみたら、きっと人をぶってはいけない理由を一生懸命説明してくれるでしょう。でも、この当たり前のことがわかっていない大人がいるので、このようなポスターを作ってアピールしなくてはならないのは、とても残念なことです。このポスターが掲示された当時は、大人に対して子供の口調で諭すことに、賛否両論あったといいます。しかし、私は改めてこのポスターを見て、とてもストレートで心に響いてくる言葉だな、と感じ直しました。

さて、みなさんは「人をぶっちゃいけないんだよ。」と言われて、どう思うでしょうか。「ぶつ」というのは、力だけでなく、言葉の暴力もあります。大人になりかけているみなさんは、相手をぶってしまう側にも理由はあるし、ぶつ側の心も痛むなどと考えるかもしれません。暴力をふるってしまった人は、たいへんなストレスを抱えていたなどの事情もあるかもしれません。
しかし、「人をぶっちゃいけないんだよ。」というシンプルなメッセージの前では、それは後付けの理由にすぎないと、私は思います。

これからみなさんは、クラスや部活や委員会で、様々な教育活動が続きます。他の誰かの意見とぶつかることもあるでしょう。感情的になってしまう場面もあるかもしれません。

しかし、みなさんは、相手の意見を尊重しつつ、自分がなぜそのように考えるのかを論理的に説明する「言語技術」を勉強しています。意見や感情がぶつかってしまったときは、一呼吸おいて、ある意味、距離感を持って、「言語技術」で習ったことを思い出して、整理して、話合ってみましょう。

落ち着いて、物事を見てみれば、また別の見方が生まれ、それはまた自分の考えを広げるチャンスにもなるのです。

森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫