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校長 江川 昭夫からのメッセージ
WEB校長室

2021.04.23 WEB校長室

校長メッセージ【第38回】~創立記念日に寄せて~

今年も、森村学園の創立記念日が近づいてきました。

明治43(1910)年の4月25日、森村市左衛門先生は高輪の自宅の庭に、小さな幼稚園をつくりました。同じ年の9月28日には、小さな小学校(初等部)もできました。
この開校したばかりの学園には、20世紀を代表する芸術家のイサム・ノグチさんも1年半ほど在校していました。イサム・ノグチさんの初めての作品は、この時に森村で作った青い焼き物だったとのことです。市左衛門先生が陶器で財を成して森村学園を創立したことを思うと、なにか感慨深いものがあります。

また、現在の本校の管弦楽部・合唱部・美術部等の活動と芸術系大学への進学の多さなどを考えると、この111年の歴史の中で、生徒の想像力や表現力といった非認知能力を大切に育ててきたのだということを感じます。最近は教育の分野でも、創造思考という、いわゆる、アート思考、デザイン思考といった考え方がクローズアップされています。森村学園もまた、今までそうした教育を蓄積してきているのです。

森村学園の歴史は、明治時代以降の社会の大きな出来事や変化と密接に結びついてきました。歴代の理事長や学園長、教職員の方々が、園児・児童・生徒たちの学びを続けるために、たいへんな思いをされた時期もありました。その先達の尽力の上に、現在の森村学園があります。

昨年からのコロナ禍についても、今はまだその渦中であり、いつどのような決着を迎えるのかはまだ不明ですが、これもまた森村学園の歴史の一つとなることは間違いありません。
森村学園は、コロナ禍をきっかけに、ICT教育に大きく舵取りを行い、何が起こっても教育を続けられるインフラを整備し、さらに発展させようとしています。そして、本校が推進している「未来志向型教育」は、これからどのように進展していくのか予測不可能な社会の中であっても、生徒のみなさんが幸せに活躍して欲しいという願いから始まっています。
当時、休校期間明けに、みなさんは毎日学校に通える生活に幸せを感じたと思います。どうかその時の気持ちを忘れず、学園を愛し、周囲の人たちを大切に、そして毎日を新鮮な気持ちで過ごしてください。
さて、毎日公表される新型コロナの感染者の数に慣れてしまっていないでしょうか。
5月以降からワクチン接種がスタートするとのことです。何より大切なのは、感染予防対策を守って感染しないことです。

先日、朝日新聞に、「100年前の名刺裏に『宴会は1時間』 感染予防の先駆」という記事がありました。
この100年前とは、スペイン風邪が世界的に大流行した時期です。日本でも40万人もの人が亡くなりました。そして、この名刺の持ち主である実業家の越寿三郎さんは、当時、宴席での密を避けるべく、名刺裏に5つの項目を書いて、配布していたそうです。それは、「時間を守る」「酒はすべて手酌」「盃のやりとりはしない」「自他とも飲食を強要しない」「宴会は1時間限り」。今、まさに言われているような言葉が並んでいて、興味深いです。
歴史は繰り返すといいますが、歴史に教わることは実に多いのです。
「100年前の名刺裏に『宴会は1時間』 感染予防の先駆」(朝日新聞デジタル記事)
https://www.asahi.com/articles/ASP2J6RLHP2JUOOB007.html

危機感が薄れがちな今こそ、再度申し上げます。
コロナ禍における私たちの目標は、「自分が感染しないこと」「人に感染させないこと」の二つです。そのためには、Stay Home! 不要不急以外の外出を避けること、3密禁止、外出時にはマスクをつけ、帰宅後は手洗い、うがいをかかさないことを守ってください。
「自分が感染しないこと」は、自分を大事にすることであり、それは他の人を大事にすることにつながります。
建学の精神「独立自営」には、まず自分で立つという意味があります。自分の力で立ってこそ、人を助けられます。そしてその精神の土台となるのは、校訓「正直・親切・勤勉」です。
世界はコロナ禍で激変しています。みなさんには、目の前のことだけに一喜一憂するのではなく、世界の変化を客観的、俯瞰的に見る知性と正解のない時代に生き抜く力を育ててもらいたいと思います。
中等部・高等部 校長 江川昭夫